| 額なし | 額あり(木製枠アクリル) | 額あり(全面アクリル) |
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寛政六年五月、河原崎座上演の「恋女房染分手綱」の女主人公、乳人重の井を描いた作品です。重の井は恋人伊達の与作との恋愛が知れ、与作はおいとま、父の竹村定之進は切腹、与作との間にできた一子与之助は自然生の三吉といって馬士になりました。主君の姫が浜松の入間家に養女に行くのにしたがって重の井は東へ下り、その途中、馬士自然生の三吉と出逢いますが、乳人という役目の手前、母子の名乗りもできずに別れます。その場の重の井を描いたのがこの絵になります。
この絵は、四世岩井半四郎という当時三世瀬川菊之丞とともに女形の双璧と謳われた名優を描いて、写楽の半身像の女形の絵の最傑作といっていいでしょう。それは女形半四郎をあますところなく描ききっているからです。乳人という重の井の役柄がもつ温かい人情がこの絵にはみなぎっています。また白地に薄紅の蝶扇の模様の着物、紅裏に鶯色の裲襠(うちかけ)の配合は清楚ではありますが、乳人という落ち着きがあり、守り袋を右手にもった姿も悠揚として、大名の奥につとめる女性の気品が見られます。当時の役者評判記に「誠に花実兼備の若女形」とある標語はこの絵にぴったりです。
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東洲斎写楽 四世岩井半四郎の乳人重の井
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